農地に家を建てる

田んぼに家を建てたいお客様からの相談で一番の心配事は、地盤は本当に大丈夫か?ということです。

そして宅地に造成をするのに、どのくらいの費用が掛かるのか?

という二点です。

 

そのあたりを中心に農地に家を建てる注意点を書いていきます。

実際に工事をする前には「農地転用」の手続きが必要です。

農転については前回の記事を参考にしてください。

今日は工事についてです。

地盤は大丈夫

もちろん、きちんと造成工事、地盤調査をしていれば、そして必要なら対策をするという話です。

自社の工事で実際に私が身近に見ているだけでも100棟以上は田んぼを造成して家を建てていますが、ただの1件も地盤が原因でトラブルになったことはありません。

 

平地の田んぼを宅地造成するより、傾斜地の造成のほうがよほど心配です。

 

地方都市では新しい分譲地と言えば多くが田んぼを造成して宅地分譲しています。

きちんと工事していれば問題ありません。

「きちんと工事」についても以下書いていきます。

 

地盤が道路からどのくらい下がっているか

ふつう、田んぼは道路から少し下がっています。

50センチ低かったり、70センチ低かったりします。

この低い地盤を最低でも道路まで上げなければいけません。

 

そうしないと道路から水が流れて敷地に入ってきますよね。

そもそも、車が道路から敷地に入れません。

ですから地盤を上げることになります。

 

擁壁をつくる

擁壁(ようへき)と読みます。

盛土が崩れてこないように土を留めているコンクリートの壁がありますよね。

あれが擁壁です。

 

実は擁壁をつくるのにお金がかかります。

擁壁の高さ、長さによって費用が大きく変わります。

 

擁壁の高さ、長さ、何面?

家を建てたい田んぼをよく見てください。

土地を道路まで上げた場合、擁壁をする必要は何面ありますか。

 

隣がすでに宅地になっていれば、隣の地盤は上がっているでしょうから、擁壁はいらないことがあります。

隣の擁壁にこちらの盛った土を当てさせてもらうわけです。

隣の擁壁を使わせてもらうかたちです。

もちろん間に側溝があればできませんけども。

 

四角い土地なら、道路以外は3面あります。

3面とも擁壁が必要ですか。

2面でいいか、1面でいいか。

 

その高さはどのくらいですか。

50センチですか70センチですか。

 

その長さはどのくらいですか。

8mですか。12メートルですか。

これによって造成工事の費用は大きく変わってきます。

 

50センチ上げる必要があれば、根入れというか地面をそこから30センチほど下からL型に擁壁をつくるので80センチの擁壁となります。

80センチのL型擁壁13,000円から14,000円/mくらいでしょうか。

敷地が間口10m×奥行20mの土地なら3面擁壁が必要な場合65万円くらい擁壁だけでかかる計算です。

 

側溝

側溝(そっこう)とは排水のためのみぞです。

これがいるかどうか。

何面、長さはどれくらいか。

これも費用に関係します。

 

表土をとる

田んぼの表面の土をすきとらなければいけません。

田んぼの土は粘土質ですから、その上に土をそのまま入れるのは良くありません。

表土を15センチくらいすき取ります。

表土の粘土とその下の地層と土の色が明らかに違うことがほとんどなので少し掘れば表土を何センチとる必要があるかはわかります。

 

土を入れる

宅地の地盤になるようにしっかりとした土を入れます。

砕石と土を混ぜた土です。

 

この土関係はそんなにびっくりするほど費用はかかりません。

1,000円/㎥くらいでしょうか。

運ぶ場所による、とよく言います。

運搬費がかかるわけです。

 

法面仕上げ

やはり擁壁が一番高いです。

お金を浮かすなら、擁壁をつくらないという奥の手はあります。

土地が広いなら擁壁をつくらずに法面仕上げにするわけです。

 

法面(のりめん)とは土を斜めにして崩れないようにしているあの斜めの面のことです。

安息角と言って、土の崩れない角度があり、それよりも角度を緩くすると崩れないわけです。

 

安全のために家は法面から距離をとって建てないといけません。

そういう意味で田舎の広い土地でしかできない方法です。

 

あと草も生えてきますから、定期的に草刈りは必要です。

田んぼの草刈りのついでにするから大丈夫というお客様もいます。

なによりお金が安く済むのでたまにします。

 

ライフラインの確認

水道ですね。

水道が前面道路まで来ているか。

 

前面道路に来ていなければ、敷地まで引っ張るのにお金がずいぶんかかります。

何十メートル隣の家の前から引くとなれば、100万円仕事になったりしますから注意が必要です。

 

電気はほとんどの場合、電力会社が引いてくれます。

ガスが前面道路に来ていなければ、プロパンガスかオール電化住宅ということになるでしょう。

最初に宅地にするための費用を出す。

計画の最初に造成費と水道引き込みなどの費用を出します。

同時に、前回書いた「農転」手続きの費用とスケジュールを出す。

 

総合的に判断してOKなら、この田んぼに家を建てようとなるわけです。

 

分譲宅地を買うよりは安く仕上がることがほとんどです。

参考に擁壁や土の値段を書きましたが、地域や場所によっても価格は違います。

住宅屋さんや造成工事屋さんに見積もりを取ってください。

 

結果的に造成工事は坪2、3万円くらいでできると思います。

60坪なら120万円から180万円くらい。

 

これは地方都市の価格です。

都会はもう少し高いと思います。

プラス水道引き込み工事と農地転用の費用がかかる感じです。

 

農地転用は前回の記事を参考にしてください。

 

地盤調査は最後

地盤調査はすべて造成工事が終わってからします。

埋める前にしても意味がありませんし、できてからでないと家の位置もよくわかりませんから。

地盤調査の結果がOKなら着工というわけです。

 

いろいろ書きました。

住宅会社の人に依頼すれば特にややこしくはありません。

全部調べて説明してくれます。

流れとしてはこんな感じです。

 

記事が参考になれば幸いです。

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