前回はナイチンゲールの書いた「看護覚え書」という本から健康住宅について考えました。
本の第一章は「換気と保温」です。
これこそがナイチンゲールの考える看護の肝であり、健康の肝であると感じました。
家も「換気と保温」が大切ですね、という記事を書きました。
今日は「看護覚え書」から健康について書こうと思います。
「住居の健康」という章があります。
これを題材に。
住居の健康
『住居の健康守るためには、次の五つの基本的な要点がある。』として
清浄な空気
清浄な水
効果的な排水
清潔
陽光
の五つを上げています。
『これらのどれを欠いても住居が健康的であるはずがない。そして、これらに不備や不足があれば、それに比例して住居は不衛生となる。』
清浄な空気

ここでも空気を第一にとり上げています。
薬が十分でない当時は伝染病が最大の敵でした。
予防には換気が大切ですから、外気を取り入れることを力説しています。
空気の大切さは今でも変わらなくて、改めてよく言われていますよね。
電気屋さんでは空気清浄機がよく売れています。
人間は一日に20キロの空気を取り入れているという話があります。
食べ物は2、3キロだそうです。
その空気に気を付けるのは当然なのでしょう。
夜寝る前と朝いちばんは窓を開けて、しっかり新鮮な空気を取り入れることがおすすめです。
新築を建てる時は「換気システム」が大切です。
住宅会社の換気についての取り組み方を確認してくださいね。
清浄な水

現在では上水道は整備されていますので、ナイチンゲールの言う清浄な水というのはクリアしています。
今はさらに清浄な水というものが求められていますね。
私、五条はいなかに住んでいますので特に水道水もカルキ臭いということはありません。
でも浄水器を使っています。
ジュースやコーヒーもよく飲むので、水だけきれいにしても気のものかもしれませんが、浄水器を通すとやはり味も色も違います。
水のサーバーもよく売れています。
あれはお湯がいつでも出るのが良い、とつかっている人は言っていますね。
月に五千円程度のものが多いようです。
昔は「水と安全はタダ」の日本でも、いつからか水を買うのが当たり前になって、今では家にサーバーです。
ナイチンゲールさんびっくりです。
効果的な排水
これも下水や浄化槽が整備されているので、現在ではクリアですね。
当時のロンドンというのは衛生面ではひどかったようです。
下水で汚染された井戸水が普通に家庭用水に使われていて、ひとたび伝染病が発生するとあっという間に広まってしまったようです。
「看護覚え書」の全編を通じて、多くのページを下水処理にさいています。
こういう啓蒙活動がナイチンゲールの功績の大きなところだそうです。
下水と上水が混じったら、病気になりますわな。
医療以前の話です。
彼女は病院建築家としても有名だそうです。
私もトイレ掃除は良くします。
トイレの神様ではありませんが、小学生のころから実家でトイレ掃除係でした。
金運が良くなると信じているのですが、どうでしょう。
清潔
掃除をしましょうということです。
と言っても、これも現代日本はほぼクリアしています。
この本では汚い例が多くのっています。
馬小屋が家の隣にあって、馬糞が窓の下に山と積んでいるなど、そりゃダメだろということが多いです。
当時のロンドンの様子がよくわかります。
この本が書かれた時代は日本でいうと江戸の末期なのですが、これと比べると日本はもともと清潔な国ですね。
靴を脱いで家に入るだけでずいぶん部屋は清潔になります。
日本はさらに清潔になろうとしています。
ダイソンなど良い掃除機が売れています。
掃除の本もよく売れています。
陽光

部屋には窓を付けましょう。
カーテンを閉めっぱなしにしないで開けて、日の光を部屋に入れましょう、と書いています。
これも今の家はクリアしています。
窓のない部屋はありません。
でもカーテンを閉めっぱなしにしている人はいるかもしれませんね。
朝はカーテンを開けて、新鮮な空気を取り入れましょう。
一日のやる気がみなぎってきます。
確かに日光の力は大きいです。
人工ではできるものではありません。
日本では太陽は信仰の対象でさえあります。
天照大神様は太陽の神様ですものね。
陽光を入れると部屋もきれいにしようと思います。
カーテンを年末に洗濯しましたが、すっきりしました。
洗濯しないと汚れていることを気が付かないものです。
健康住宅
さすがに160年前の本を読んだら、今の家や都市は進んでいて、健康的です。
ありがたいことです。
これも先人たちの努力のたまものです。
窓を付けることや大きななど基本的な健康についての配慮は建築基準法にも決まっています。
でも止まってはいけません。
もっと健康に貢献できる家をつくれないか。
私たち住宅屋さんの日々の仕事です。
がんばろう。
ではまた。
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