「家は三回建てないと理想の家にならない」について考える

巷でよく言われる「家は三回建てないと満足できない」あるいは「理想の家にならない」という言葉があります。

そして、その言葉の後に「そんな人はほとんどいませんけどね。」と続きます。

 

今日はこの言葉を通して家づくりについて考えてみましょう。

 

言葉の意味

よく考えてつくったつもりの家でも、住んでから初めて「ここはこうすれば良かった」という思いが出てくる。

家そのものについての改善点もあるし、家づくりについての改善点もある。「こういう風に話を進めればよかった。」「あの工務店に頼めばよかった。」

 

その反省を踏まえて、そして何年か住んだ経験を踏まえて、二回目の家を建てる。

当然、よりよい家ができる。

それでもまだ改善点がある。後悔がある。

 

その反省を踏まえて最後にもう一度家を建てる。

二回経験しているので、家づくりも慣れたもの。

知識も経験もある。

三回建てて、理想の家が出来ました。

年齢的には終の棲家です。

そういう話です。

 

この話には実にいろいろ考える点があります。

 

まず知識の問題です

お施主様の知識不足

家を建てるのは各分野の専門的な知識がいるものですが、お施主様にはそれがない。

ですから、色々間違えたということ。

工務店から意見、アドバイスがあっても、的確な判断が出来なかった。

そういう施主側の知識不足、経験不足という問題が一つ。

 

工務店の知識不足

もう一つは工務店側の知識不足もあります。

50年前の業者は玉石混交。

いい加減な業者も多かったと聞いています。

工務店の腕の良否を判断するのも難しかったと思います。

 

二つの問題は現在ではある程度クリアできます

家づくりの知識、知恵は数多く目にできますし、調べることも容易です。

テレビでも雑誌でも本でもあります。

もちろんこのブログもそういうために情報発信しています。

逆に情報過多で選別が難しいくらいです。

 

そして、工務店のレベルは格段に上がっています。

悪徳工務店はほとんどありません。

 

ただ、工務店、ハウスメーカーの良し悪しは当然あります。

これについては実際に建てられたお施主様に話を聞くしか、確認する方法はありません。

二人位は聞きたいものです。

芋づる式に探せばたどり着くものです。

ネット情報はあてになりません。

 

知識不足の失敗は業界のレベルアップもあって、少なくなっています。

 

家自体の性能も1960年代は断熱材が全くなかったりしますから、ずっと住むのは大変な代物でした。

技術の向上も著しいものがありました。

ライフサイクル

別の論点としては、家族構成が変化する問題です。

初めに若い夫婦が家を買う。

小さな子供が一人。その後もう一人生まれて、子供二人。

4人が住める小さな家です。

 

その後、子供も大きくなり、手狭になったころ。

もう少し大きな家を建てて引っ越します。

 

最後に60歳前後、

子供たちも独立して大きな家も部屋数も必要ありません。

終の棲家をつくろうというわけです。

 

このようにライフサイクルによって

必要な家が変わるという問題もあります。

 

このライフサイクルや家族構成の変化の問題は当然、今もあります。

ただ、大家族は減っているので二人から四人、四人から二人位の変化です。

昔のように六人、八人の家族は減っています。

家族構成の変化は小さくなっています

 

本当に三回建てていた時代があった

この言葉は実は30年以上も昔の言葉でして、30年以上前には本当に三回家を建てる人が時々いました。

25年前の私、五条も上司からその話を聞きました。

その方は三回家を建てて、良い家ができたとおっしゃっていました。

場所とタイミング

どういうことかというと、家が買った時よりも高く売れるわけです。

そこまでいかなくても、下がっていないわけですね。

次に買いたい場所も少し高くなっているのですが、経済全体が成長しているときは給料も年々上がっているわけですから、買うことが出来ます。

 

高度経済成長期からバブル崩壊までの期間にこういうことが起きました。

1954年から1989年までの35年間くらいのことです。

 

もっと言いますと、経済が発展していく過程では地域がまだら模様に開発されていきます。

買った家は値上がりする。

次に買いたい地域はまだそんなに高くない。

買った後、またぐっと値上がりする。

それをまた売る。

わらしべ長者

そうなりますと、どんどんいい家に住めるようになります。

わらしべ長者のようです。

私に話をしてくれた上司も、儲かったうえにいい家になったと言っていました。

その都度、大きな家にできたと言っていました。

 

運もありますが、目利きの人は狙ってそう言うことが出来たと思います。

 

一度しか建てられない安定成長期では

しかし、それらは昔の話です。

現在の成熟した日本ではほとんど期待できません。

では一生に一度しか建てられない現代では満足できる家は実現できないのでしょうか。

 

私は実現出来ると思います。

と言いますか、すでにできている人は多いと思います。

 

理由は文中に少し書いていますが、1960年代、70年代から比べて家自体が数段良くなっています。

作り手側の技術、知識の向上によるものです。

消費者側の知識向上によって時代のニーズとして実現できたことです。

 

家は消費財から長く使える資産に変わってきています。

これが時代のニーズだからです。

 

長く使える資産となる家をつくるには

お施主様と住宅屋が30年先、50年先を見据えて家づくりをすることです。

そういう家がすでに数多く建っています。

 

欧米のように築100年の世界まで行っているかは疑問がありますが、少なくとも一時期の25年サイクルの家ではありません。

 

私もお施主様と一緒に長く使える資産と言える家づくりをしていきたいものです。

「家は三回建てないと理想の家にならない」という言葉を完全に過去のものにしましょう。

 

そして今の時代、本当に大切なのは家自体ではなくて家づくりの過程であり、住み方、暮らし方なのだと思います。

そのあたりの記事も書いていきます。

 

今日の記事も皆様の良い家づくりの参考になれば幸いです。

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