階段が住まいを変える。

お客様と話をしていて、たまにあること。

間取り集を見て「一階はこの間取りが良い、二階はこの間取りが好き、二つを合わせられないですか?」

 

そうですよね。気持ちはわかります。

でも、そのまま合わせることは出来ないです。

 

大きさは似ている場合でも、階段の位置が違うのでつながらないのです。

一階と二階をつなげる階段は間取りを考えるうえでとても大切な要素です。

 

リビングを通って二階へ

リクエストで一番多いのはリビング階段と言われるLDから登る階段です。

お子様が二階の個室に出入りするときに必ずリビングを通るので親が安心できるという利点があります。

顔を合わせれば様子もわかりますし、コミュニケーションが取れます。

リビング階段いいですよね。

 

さらに吹き抜けと合わせれば、お互いの気配がもっと感じられるようになります。

リビング階段に吹き抜けを合わせて、吹き抜け部分に窓を付けますと、リビングが明るく開放的になります。

 

その場合、気を付けることは断熱性能が良い家であることです。

悪い家では寒いです。

断熱性能が良い家なら、吹き抜けは冷暖房的に不利ですが、寒くて暮らしにくいということはありません。

 

住宅に使われる階段のかたち

基本形は「直進階段」と「折り返し階段(回り階段)」と「L字階段」の三種類です。

変わったところで、らせん階段、矩折れ階段、直進階段を交差させた交差階段などがあります。

それぞれの特徴を見てみますと

 

直進階段

間口が狭い家や小さな家に重宝します。

体をひねらずに上り下りできるので体の負担が少ない。

1階の登り口と2階の降り口が離れるので間取りに制約がかかる。

折り返し階段(回り階段)

階段の面積が増える。

体をひねる必要がある。

1階の登り口と2階の降り口が同じところになるので間取りを考えやすい。

L字階段

階段の面積が直進に比べると増える。

体をひねる必要がある。

曲がり口が二階側にあるL字階段は危険。

 

危険な階段

映画「鎌田行進曲」における階段落ちではありませんが、階段で落ちることはすごく危険です。

家の事故は各所で起こります。

ただ、純粋に「こける」という点の事故では階段が一番多いと思います。

浴室でのヒートショックや食卓での誤飲とは別の意味で階段は危険と言えます。

 

よくある意見で「落ちた時に下まで行くので直進階段は危険だ。」「回り階段は途中で止まるのでけがが軽くて済む。」というものがあります。

 

ただ、直進階段は体をひねらないので、そもそもこけにくいです。

落ちるとしても最後の一段か二段を踏み外すというケースがほとんどだと思います。

そういう意味では直線階段が特に危険だとは私は思いません。

念を入れるなら、直進の途中で踊り場を設けるとなお安全です。

 

危険な階段は二階側に曲がり口があるL字階段です。

二階から降りてくるときに曲がり口で踏み外して、そのまま下まで落ちることが考えられます。このタイプの階段は作らないほうが賢明です。

 

勾配が45度の階段というのは割と普通ですが、45度以上の角度の階段は作らないほうが良いと思います。

今からの新築ではまずないとは思います。

 

階段の基本

蹴上と踏面

階段の一段の高さを蹴上(けあげ)と呼びます。

階高と段数によって決まります。

階段の一段の幅というか奥行を踏面(ふみづら)と呼びます。

 

階高2,940mmで階段13段、二階のフロアを14段目という階段なら、

2,940mm÷14段=210mm

蹴上210mm(21センチ)ということになります。

 

直進階段の長さ2,730mm÷13段=210mm

踏面210mm(21センチ)です。

よくある階段の寸法です。

面積に余裕があれば、もう少し緩やかにしたほうが上り下りしやすいと思います。

 

階段の位置

どういう形の階段にせよ、基本は二階の中央から降りてくる位置に階段を設置します。

そうすることによって二階の廊下の面積を減らして無駄が無くなります。

二階リビングの場合は、一階中央から上がる形にすれば廊下が減ります。

 

デザインされた階段で差をつける

デザインにこだわりのあるお客様でも階段は優先順位が低くて、普通というケースが多いです。

逆に言うと、かっこいいデザイン階段を使うことで家全体の印象が格段に上がります。

差別化できるわけですね。

 

以前お仕事をさせていただいたお施主様で単身のご婦人がいました。

画商をされていた、おしゃれなご婦人の唯一のリクエストが「素敵な階段を付けてください。」でした。

シンプルで素敵な家になりました。

 

限られた予算を設備ではなく「階段」に使うという選択はお勧めです。

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