太陽光の出力制御 九州電力が先行指標になる

出力制御とは「電力会社がパワコンを止めてしまい、電力系統への出力を一時的に停止すること」です。

要は売電がストップして、一時的に電気が売れないということです。

 

出力制御は電力会社との契約の規約に入っていて、売れないことに対する補償はされません

 

家に太陽光発電を付けようと考えている人には何とも困った制度です。

しかし、電力会社には出力制御をする正当な理由があります。

 

ということで、そもそも出力制御ってどうしてするの?

そして今の状況についてご紹介します。

 

シビアな局面に入っていますので、マイホームに太陽光パネルを上げようと考えている方はよくわかったうえで設置してくださいね。

状況はいろいろ変わりますので2018年7月下旬時点の情報です。

電力の安定供給

電気は基本的にためることはできません。

地域をカバーするような大きな電池があるわけありませんからね。

 

発電(供給)と消費(需要)が同時に行われますから、発電と消費を常に一致させる必要があります。

これを「同時同量」といい、電力会社は刻々と変化する電力消費に合わせて、供給する電力量を調整しています。

普段使う私たちは意識していませんが、考えてみればそうなります。

電力会社の人知れぬ努力があって、電力の安定供給ができているわけです。

 

良い季節の春や秋はエアコンがいりません。

大きな工場もお休みの春の日曜日などは年間ピーク時の半分の電気の需要量だそうです。

ちなみにピークは夏の甲子園野球大会の決勝の日と聞いたことがあります。

 

もし、この需要と供給のバランスが崩れてしまうと周波数を保てなくなり、故障や停電が起こる恐れもあります。

 

出力制御の目的

電力会社は、需要に対して供給が多すぎる場合はまず、火力発電の発電量を抑えることなどにより、供給量を減らします。

それでもまだ電気の供給が多くなりすぎることが予想される場合は、太陽光発電の発電量も抑えることが必要になってきます。

 

本来、太陽光発電は天気により左右されるため発電量のコントロールができません。

もし、出力制御をしないということなら、春を想定した太陽光発電の量しか認めることはできなくなります。

春に出力制御をおこなうことで、夏や冬には出力制御をおこなわずに発電ができることから、より多くの太陽光発電所を認め、作ることが可能となります。

太陽光発電をたくさん作り、発展させるためには出力制御という制度が必要だということです。

 

九電ショックと各電力会社の状況

固定価格買取制度が始まった2012年7月以降、太陽光発電が急激に増え、2014年9月には「このまま系統に接続し続ければ需要を供給が上回る」と九州電力が突然系統接続の回答を保留することを発表しました。

 

続いて、北海道、東北、四国、沖縄電力も新規の系統接続に対する回答を保留することを発表し、混乱が起こりました。

これが「九電ショック」と言われている出来事です。

太陽光業界には激震が走り、すこしパニックになりました。

中国電力は2018年7月11日太陽光発電設備の申し込み量が「30日等出力制御枠」の660万kwに到達したと発表しました。

これにより、7月12日以降の接続申し込みから、無制限、無補償の出力制御が接続の条件になります。

 

中国電力が30日等出力制御枠に到達したことで中三社(東京電力、中部電力、関西電力)をのぞく、全社が無制限、無補償の出力制御を要請できるルールに入りました。

出力制御がかかる順番

これだけ聞くとマイホームに太陽光発電をつけるのをやめようかと思ってしまいますが、出力制御がかかるには順番があります。

まず、火力発電の出力制御が行われます。揚水発電も行われます。

次にバイオマス関連の出力制御が行われます。

 

さらに、その次に太陽光発電の出力制御がかかります。

その太陽光発電の出力制御にも順番があります。

大きい設備から出力制御はかかります。

一番目は大規模で広大な土地に設置されている500kW以上ある高圧発電所です。

二番目が10kW以上、500kW未満の中規模タイプの発電所

三番目が10kW未満の住宅用の太陽光発電。

この順番でかかっていきます。

 

この順番をもって、10kW未満の住宅用の太陽光発電に実際に出力制御がかかる可能性は低い、あるいはかかっても軽微、というのが業界の多数の見方です。

 

売電価格の差

大都会を抱えている東京電力、関西電力、中部電力管内では低圧の家庭用の太陽光発電には出力制御がかかりません。

人口が多く、電力需要が大きいのでそれくらい大丈夫ということです。

出力制御対応機器の設置義務もありません。

 

そのため、その他の電力会社の管内では売電金額を2円高く設定しています。

つまり、家庭用の10KW未満の場合、東電、関電、中部電は26円/kWh

上記以外の電力会社は28円/kWhということです。

 

今は出力抑制対応パワコンがほとんどですし、実際に家庭用まで出力抑制がかからなかったら、対応地域のほうが良いかもしれません。

これは長い期間見てみないとわからない結果論ですが。

 

九電ショックのその後

ただ油断できないのが、九州電力では話が進んでいること。

九州電力では2017年5月にダイレクトメールが送付されました。

内容は2017年12月末までに出力制御機能付きPCS(パワコン)仕様に切り替えを完了するように求めるものであり、実際に多くの皆さんが切り替えました。

 

ダイレクトメールは切り替えに応じなければ契約解除の文面になっており、九州の太陽光発電事業者は大急ぎで切り替えたと聞いています。

 

四国電力、沖縄電力がこれに続いています。

四国電力管内は2018年9月末まで、沖縄電力管内は2018年10月末までにパワコンを切り替えて、切り替え完了届を提出しなければいけません。

そして、一番大切なことは実際に出力制御が行われているのかどうか。ということです。

実はすでに出力制御は始まっています。

九州の本土では行われていません。離島から始まっています。

壱岐、種子島、徳之島です。

その中でも特に頻繁なのが、種子島です。

 

種子島の状況

離島という閉ざされた環境であり、電力調整能力が低いため出力制御の必要性が高いと言われています。

太陽光より優先して出力抑制をかける、揚水式発電やバイオマス関連発電設備がないので、いきなり太陽光発電に出力制御がかかります。

九州電力のホームページには種子島で出力制御を何度も行っていることが書かれています。

2018年6月は2回

5月は9回

4月は20回

3月は19回

かなりの回数です。

一つの施設に対してではなく、いろいろな発電設備に持ち回りで対してかけていると思います。

ですから、一施設当たりでは2~3回/月くらいなのかもしれません。

ただ4月の20回くらいの頻度になると、どこかの施設には出力制御がかかっているという状況です。

かなり頻繁という印象を受けます。

 

そうなると次の論点は住宅用の10kw未満の太陽光発電にまで実際に出力制御がかかっているか、ということです。

気になったので私、五条も種子島を管轄している営業所に電話をして確認しました。

答えはまだセーフ。

現時点では10kw未満の太陽光発電所までは出力制御の実績はないということでした。

ただ電話に出た方は「実績はないが、将来もかけないということではない。」という点もしっかり言っていました。

太陽光発電が多く、離島という悪い環境でも10kw未満の家庭用では出力制御は行われていません。

 

本土では他地域とも電力のやり取りなど融通ができます。

種子島の実績など、色々合わせても

「実際には10kW未満の住宅用の太陽光発電は出力制御が行われる可能性は低い」

という業界の見方が正しいのではないか、と私も考えます。

 

時々、九州の工務店さんとも話をします。

まだまだ太陽光発電は付けるケースが多いそうです。

ただ10kw未満だそうです。

総合的に考えて、出力制御を気にするのなら10kw未満の太陽光パネル、つまり7,8kwを乗せるというというのが今のマイホームの太陽光発電の流れではないでしょうか。

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